2016年10月15日土曜日

続・ハランベー

私が昨日参加したハランベーは学費を集めることが目的でした。ハランベーを受ける主人公ともなる男性は私と同世代(誕生日が3日違い!)です。彼は聡明で、初めて話したときから「この人は違うな」と思わせる何かを持っていました。それでも、どうしようもなく理不尽な困難が何度も彼の人生に降りかかっています。

ハランベーに参加していたのはホストとゲストを合わせて30人ほどでした。参加していた人曰く、「とても少ない」人数のようです。ハランベーでは、どれだけ情報を拡散できるか、どれだけ人脈を持っているかが結構重要です。

まず、ホスト側から数人の挨拶があって、それから本題のお金集めに入ります。一人ひとりがいくら出したかが全員に分かるように共有します。ここでの最高額は10,000Ksh(約1万円)でした。ちなみにこの額を拠出したのはホスト側の代表です。ホストもゲストも、それぞれ出せる金額を拠出しますが、200Kshが多かったような印象です。もちろん20Kshとかコインだけの人もいるし、お金は出せないから、と家で取れた野菜や卵を持ってきている人もいました。代理で預かっているお金も、金額と提供者を全員に共有しながら進みます。人によっては、M-PESAというケニアで発達している電子マネーでホストのケータイにお金を送っていました。これらもちゃんと全員の前で共有されます。

さて、ここまでは人びとの準備した金額。ここからが勝負どころです。いかにゲストから絞りだすか、というのをホスト側があの手この手で頑張ります。ホスト側がこれ見よがしに自己犠牲しながら大金を拠出し、「みんなもうちょっと頑張って!!」と押し売りしてきます。私も体よく使われて、「50Ksh払ったら、この日本人と握手できるよ!」と前に立たされ、お金を集めるのを手伝いました。他にも、先ほどの野菜や卵を使って、オークションをします。高い値段を出せない人も、「あの人に10Ksh付け足すわ!」というふうに参加することができます。もちろん相場の数倍も高い値段になりますが、売り上げは全てハランベーです。ここでも私が体よく使われて、「日本にケニアの卵を送ろう!」みたいな感じで盛り上がり、数人でお金を出し合って卵を買ってもらいました。要は、いかに楽しくお金を出すか、てゆうのが工夫されているのです。


そんなこんなで最終的なハランベーの合計額は40,000Kshでした。金額がピッタリなのは、これまた最後の最後に39,000いくらかだったのを、「もうひといき!!付け足せる人!!」という掛け声のもと増やしたからです。この金額も、参加者にいわせれば「すごく少ない」みたいです。実際、ゲストではなくホストの人たちが大金を出していた印象だし、ハランベー終了後にはソーダと軽食のサービスもありました。なので、純粋な利益っていくらなんだろう?と考えると、すごく小さい金額のような気がします。


それでもハランベーは、お金を集めること以外にもいろんな意味が込められているような印象を受けました。と同時に、一人ひとりの人間関係の量と質が問われているようで、なんだかシビアな世界だなと思いました。ケニアでは、必ずしも学校に行かなくたって生きるための学びの機会は至るところにあるし、人間関係だって学校外で育まれているものも多いと思います。だけど、やはり教育レベルと収入は相関関係にあり、収入の多い友人をいくら持てるか、という意味で学校教育は大きな影響力を持ってしまっていると思う。学校教育は、それを受けた者に何かを与えるというよりも、それを受けなかった者から何かを奪うのではないかと、思わざるを得ないのです。

そしてやっぱりスワヒリ語を真面目に勉強したいなと痛感させられました。彼らが冗談を言って笑いあっているポイントについていけないのは歯がゆいです。

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