2016年8月28日日曜日

今さらですが、ナイロビ研修の振り返り

ブシア到着しました。今回は真面目なこと書きます。

今さらですが、ナイロビ研修を振り返って感じたことです。
長いです。

ADEOのオフィスでいろいろと話を聞きながら、私が単純に興味を持った2点。
①なぜ難民支援は終わったのか、②なぜ規模の大きなNGOが有利なのか。

①まず、難民支援について。ADEOのEは、EmergencyのEで、緊急人道支援とか、いわゆる難民ものの支援が始まりだった、と理解しています。それが今では、難民の支援はしておらず、もっぱら保健医療分野が中心です。

ナイロビオフィスの人に、なぜ難民支援が終わったのかを質問。シンプルな答え、資金がないから。

じゃあ、なぜ資金が得られないか。

第一に、「国連は、シリア難民のような新しいものを支援するのが好き」とのこと。ソマリア難民は古いし、(南)スーダン難民もシリア難民に比べると注意が払われていないとのこと。

第二に、ドナーの関心が薄れている状況の中で、「アメリカやイギリスの自分たちで資金を持ってるようなNGOと競争することなんか不可能だ」ということ。

確かに、ソマリア難民のような長期にわたって難民状態が続く人たちは、忘れられやすい。
てかアフリカは基本的にどんな問題も忘れられやすい。

だけど、アフリカの長期滞留難民は、第三国定住を選択する人は少なく、多くが、本国への帰還、または、一次避難国での定住を選ぶ。そりゃ第三国定住なら、イギリスやアメリカなどの再定住先のNGOが支援すると効率が良さそうな気もするけど、たとえばケニアのような一次避難国で定住するなら、ケニアのローカルなNGOの方がニーズに即した支援ができるように思う。

それでも、国際NGOが有利になっちゃう理由。これは財務担当の方からの指摘だけど、ドナーから資金を得るのは、競争で一番重要なことは、キャパシティ。例えば、資金をちゃんと使う透明性が確保されているかの証明や、どういった活動がここで可能か、ということ。これをやれ、と言われてはじめて方法を探しているようでは競争には勝てない。既に持っていないと。その地域に全くNGOがなければ、ローカルなNGOでも勝てるけど、たくさんNGOがあるなら大きなものが勝つ、と話した。

驚いたのは、ナイロビオフィスで資金繰りの困難に見舞われる主要な要因が、運営費(administrative cost)で、特に大きな出費である賃貸料が、月に92,000Kshということ。普通に大阪の私んちの家賃より倍くらい高い。

ナイロビの地価が上がっていることに加えて、ADEOが事務所を構えるのは、特にハイステータスな道路。こんな高価でも立地の良さを優先せざるを得ないのは、これまたドナーのため。安いところに移動してしまえば、ドナーが私たちにアクセスしてくれない、とのこと。まあ確かにそうだなと思う。私だって、ADEOのオフィスが治安の悪いところにあったら行けてない。

財務担当の人は、「It’s like a selling products.」とNGOの資金獲得について表現した。
うーん、もちろん競争って良い面もあると思うよ。でもさ、小さい組織の強みが奪われるような競争は、ないほうが良いと思ってしまう。
援助の現場にすら働く市場原理が、結局のところ効果的な援助を阻んでいるような気がしてならない。

そして、現在のようなプロジェクトが少ない時期は、スタッフも減らす必要に迫られていて、ファンドが取れるかどうかは、NGOの支援を待つフィールドの人びとだけでなく、NGOで働く人たちにとっても死活問題なのだと感じた。

国際NGOはファンドを取りやすくて、ローカルNGOが動きやすいのであれば、そこ協力すれば良いんじゃないかと単純に思うけど、スタッフにこう言うと、なかなか難しいのよ、と返された。国際NGOのことも勉強しないと分からないな、と思った。

今日は少し難しいこと書きました、以上です。

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